機材レビュー

MOTU Machfive 3

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MOTUMachfiveが4年ぶりぐらいのバージョンアップ。
というわけでたまには、簡単な機材レビューでも。

まず見た目が、Ver2からだいぶ変わってますが、操作感はほぼ一緒。Machfive2を使い慣れていればすぐに馴染めます。
一番大きいのはやはり64bit対応ではないでしょうか。メモリを最大限活かせます。
ただし32bitシーケンサーをホストに使う場合はVienna Ensenble pro等を挟むか、別PCにスタンドアロンで立ち上げて使わなければ結局3Gぐらいまでしかメモリ使えませんが。
僕はVienna Ensenble proでMachfive3を立ち上げて使っています。パラアウトとかの設定が少し煩わしい事になるんですが、テンプレートを作れば問題ないでしょう。

音質に関しては、サンプルはMachfive2から比べて、そんなに変わっていない感じです。というか、Ver2にあったオーケストラ音源と、ハイサンプル音源(96kHz,192kHz)とかがカットされている分、サンプルに関してはグレードダウンしている感があります。
ピアノ音源も前バージョンと違う物になっていますが、これは好き嫌いあると思いますが、僕はMachfive 2 の付属の96kHzのピアノサウンドの方が好きです。


しかし付属サンプルよりもずっと大きなポイントが、オシレーター機能と、モジュレーション。
Ver2からあった、シンプルなオシレータ(Sin,Saw,Tri等,,)や、オルガンエミュレーターはほぼそのまま、
さらに新たな種類のオシレータが加わっています。

Analog Stack
stack
こちらは4OSCのバーチャルアナログシンセといった感じです。
オシレータひとつひとつにピッチやボリュームやパンも設定でき、さらにそれらのパラメーターひとつひとつにモジュレーションをかけられるので、これだけでもずいぶん深みのある音は作れると思います。

FM
fm
4オペレーターFM音源もあります。
見た目シンプルですが、十分な機能です。高いサンプルレートを活かした音作りができそうです。
ただひとつあえて難を言うとすれば、オペレーターのレシオのパラメータが整数倍が設定しずらい。
なのでノブを何となく回してるだけだと、ノイズっぽい音になってしまいます。
(逆に言えば、ノイズっぽいサウンドを直感的に、作りやすい)
ノブのグラフィックはオマケで、ノブをダブルクリックして、数値を入力するのが正しい操作、といった感じがします。FM音源をそこそこ理解していれば全く問題はないですが。

Wavetable
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オシレーター機能の中で個人的に一番気に入った思ったのはこのWavetableです。
Mini Moogとかアナログシンセの波形が中心です。あとビンテージサンプラーの波形がいくつか。
UnisonとSpread,Stereoの3つのパラメータでコーラスっぽい効果がかけられます。
あとSymmetryというパラメータがあってこれはフォルマントが変化します。
とにかく無駄な機能がなくてシンプルで、そして直感的に、きれいで厚みのある音を作りやすいです。
このオシレーターと、エンベロープ、LFOなどを組み合わせるだけでもシンセサイザーとして十分なんじゃないかなと思います。

noise
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あとはシンプルなノイズ専用のオシレータと、同じMOTU社のドラムサンプラー、BPMのっぽいアナログドラム音源があります。

こういったオシレーターによる音作りと、サンプラーとしての機能と、両方がひとつのソフトの中で高いレベルで収まっている、というのが大きなポイントだと思います。

lfo
そしてモジュレーション機能ですが、LFOの波形もいくつか増え、Machfive2ではLFO8個、エンベロープ6個だった制限もなくなり、おそらくCPUの許す限りほぼ無制限(未確認)まで増やせるようです。
その辺りはKontaktに肩を並べた感じでしょうか。
env
大画面でのエンベロープエディットもMachfive2よりもさらに見やすく使いやすくなっています。

loop
サンプル・ループのエディットに関しては前バージョンと同じ感じです。
ただループポイントの精度がしっかりとした印象です。
(前バージョンでは頑張ってゼロポイント探して設定しても何かの拍子にループポイントが微妙にずれてしまって、結局クロスフェード使わざるを得なかった記憶があります。)
クロスフェードの設定も直感的にでき、操作しやすいです。
コントロール+ホイール操作で波形の拡大、縮小できるのも前バージョンと一緒ですが、大きな波形をエディットするのにはとても便利な機能です。

Mixer画面
mix
ミキサー画面もとてもすっきりしていて、見やすく、操作しやすいです。
エフェクトの名前をクリックすると、上にパラメータが出てきて操作できるのも便利です。
Machfiveの中だけでミックスを完成させるにも十分なクオリティと操作性だと思います。
fx1
エフェクトは見た目はさらに地味になりましたが、内容的にはMachfive2とほぼ一緒でしょうか。
余分なGUIを省いて、少しでも動作を軽くしようという事だと思います。
派手なGUIは新しく搭載されたスクリプト機能で、というのもあるのでしょうか。

質はやはり素晴らしいと思います。
飛び抜けたエフェクトはありませんが、コーラスなどのモジュレーション系は特に、綺麗に厚みを出してくれます。
IRリバーブも、リバーブ専用のプラグインにも負けないぐらい、素晴らしい出来だと思います。

fx2
そしてチューナーと、スペクトラムアナライザー機能。
これは各パートにエフェクトとして立ち上げる事ができるようになっています。
Machfive2だとメインのアウトだけだったと思うので、使い勝手があがっています。

チューナーをチェックしながら微妙なピッチのズレを補正したりとか、意外と音作りにも役立つと思います。
アナライザーはやはりMachfive3だけでミックスを完成させる事を考えているのかな、といった感じもしますが、サウンドをエディットしたときに音色の変化を視覚的にチェックしたりと、いろいろ使い道はありそうです。

というわけでVer2とくらべて大分変わったMachfive3ですが、ただ大容量波形を読み込んでプレイバックサンプラーとして使うのではなくて、シンセサイザー的な音作りもしていける、そしてエフェクトも充実していて、すべてが高いレベルで収まっている、といった音源だと思います。
Omnispherと、Kontaktの中間的な位置づけになったかな、という印象です。



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