ケーナを作る - 7

9
指穴を開けます。
穴をあける位置はある程度は決まっていますが、
穴を上にずらす穴を小さくする
穴を下にずらす→穴を大きくする
といった感じですこしは融通がききます。

僕は10代の頃に買った、ボリビア式のケーナの穴の位置を参考に、基準として、自分の手にしっくりくるように、数ミリ単位ですが穴の位置を少しずらしています。
9-2
キリで穴を開けたら、切り出しでほじくるような感じで穴を拡げます。
そして、丸棒ヤスリで丸い形に整えていきます。
10
電動ドリル使えば、と良く言われるんですが、いつもこの方法でやっています。
普段電子楽器や音響機器などで、電気を使っている分、ケーナ作りに関しては電力使わずに・・・
当面の間はこの弥生時代スタイルで行こうと思っています。

10-2
という感じで、穴を開けていきます。
表側には6つの穴を開けます。
最終的には、穴を全部押さえたらソの音、そして一番したの穴から順番に、ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#となるように調整していきます。下から3つ目の穴は半音に相当するので、すこし小さめにします。

11-2
そして裏側に一つだけ、小さい穴を開けます。
左手の親指で塞ぐ穴ですが、少しわかりにくいですが下の写真のぐらいの位置に、小さい穴をぽつんと開ける感じが丁度良いです。
11
この穴は、2オクターブめまでの範囲の演奏なら、ずっと塞ぎっぱなしなので、開けなくても良い位ですが、3オクターブ目を鳴らすときに大変重要になってくる、僕はかなり重要視しているポイントです。

といった感じで、大体の楽器の形は出来上がりました。
ここから、音程などの微調整のため、指穴や歌口、底の穴を少しずつ、音を鳴らしつつ削っていきます。

大まかな音階を作るのは意外と簡単です。適当に穴を開けてもそれっぽくなります。
ただ、奇麗な音階を作るのは慣れないと結構大変ですが、そこを調整していくのがケーナを作っていて一番面白いところでもあります。
まだ僕も色々試行錯誤、研究中といった段階で、削りすぎたりして失敗してしまう事もありますが、色々調整していく中でベストなバランスを見つけ出していくのが、元は一本の竹なのに奥が深く、面白いなー、といった感じです。
Comments

ケーナを作る - 6

8
そこの部分の節に、穴をあけます。
キリで穴を開けたあと、鉄の丸棒ヤスリで削って拡げていきます。

ここの穴の大きさも重要で、長さ、太さ、に大してここの穴の丁度いい大きさが決まって来ます。
この大きさで、そのケーナの基本となる音程を調節します。
G管のケーナならば、ここで歌口を吹いたとき、”ソ”の音が出るように、穴を拡げていきます。

意外と、節の部分は柔らかいので、削りすぎないように注意が必要です。
僕はあとあとの調整も考えて、この時点では少しだけ小さめに(吹いたとき、”ソ”よりほんのちょっと低い音が出るように)しています。
そして最後に、指穴、歌口とあわせて、全体のバランスを見ながらこの穴も調節します。
(ここは本当に感覚なので、言葉で説明するのは難しいです)
Comments

ケーナを作る - 5

5
まず”歌口”という、口に当てて吹いて、音を出す部分を作ります。
ノコギリで切った部分をヤスリで奇麗にします。
口に当てる部分なので、最初粗めのヤスリで大まかに、平にした後、細かめのヤスリでトゲのないように、奇麗にすると吹きやすいです。
角の部分にも少し斜めにヤスリがけして、丸みを持たせると良いです。
ただそういった細かな調整は、楽器としての形ができた後で良いでしょう。

6
歌口を作ります。平丸の彫刻刀で、だいたいの形を作ります。
6-2
そして、鉄の丸棒ヤスリで削っていきます。
7
外側からだけでなく、内側からも削っていきます。
内側3:外側2ぐらいの割合が、音が出しやすいです。

この歌口の部分は、吹き心地、演奏感にとっても影響します。
最初はとにかく音がでる範囲で小さめに作って、最後に(指穴とかもあけてから)少しずつ削って調整していくようにしています。
Comments

ケーナを作る - 4

4
まず竹を必要な長さに切ります。
下側は、丁度節で壁ができるように、節の下の部分で切ります。
そしてそこから必要な長さに切ります。
一番標準的なサイズのケーナ(G管)の場合は、だいたい38センチぐらい。
太さは大体直径が2〜3センチぐらいが丁度良いです。

厳密ではないですが、僕の大体のイメージとして、捉えているポイントは、

  • 長さで音程が決まる。(長いほど、低音)
  • 太さで音量が決まる。(太いほど大音量)
  • 同じ長さ(音程)の場合、太さが太くなれば、指の穴も大きくする必要がある。
  • 長い(音程が低い)ほど、太さが必要。
  • 長さに対して、太さが足りないと、最低音を鳴らすのが困難。
  • 長さに対して、太すぎると、音を鳴らすのに肺活量が必要。高音(特に3オクターブ目)を鳴らすのが困難。

といった点で、こういった事を考慮して、竹を選び、どの音程のケーナにするか(=どの長さに切るか)を決めています。

そして色々試行錯誤をしていく中、今のところ自分のケーナは、

一般的なケーナ(ボリビア式、などと呼ばれているもの)より、細め(よって、指の穴も小さめ、音量も控えめ)
という特徴にたどり着いています。
4-2
ちなみに上の写真のノコギリはちょっと荒っぽすぎました・・・
もっと目の細かい、奇麗に切れるノコギリの方が良いです。
ホームセンターとかに行けば、竹を切るのに向いているノコギリがいくつか売られています。
Comments

ケーナを作る - 3

3
ケーナを作るのに使う道具です。
ノコギリで切って、キリで穴をあけ、丸の彫刻刀で吹く部分を削り、切り出しで指の穴を拡げ、棒ヤスリで奇麗に整える、と行った感じです。
あと紙ヤスリで外側を削ります。
この位の道具があれば十分、電気なんかなくても、楽器が作れます。
Comments

ケーナを作る - 2

P1000010
とって来た竹を、そのまま笛に加工しても良いですが、竹は水分を含んでいて、徐々に乾燥していきます。
乾燥していくと、音程も変わってしまうので、ある程度乾燥させるのがよいでしょう。
篠笛を作る方で、「3年干した竹を使う」という話を聞いた事もあります。
そのぐらい、時間をかけて徐々に水分がとんでいくようです。
僕の場合は最低1ヶ月、日陰において置きます。十分な乾燥にはならないかもしれませんが、自分で吹く物に関しては「音程が狂ったら、調整すれば良い」と考えています。
ヤスリで穴を削る等、時間をかけて少しずつ調整していく事で、バランスの良い楽器に近づいていくと思ってます。
乾燥しきっていないほうが、加工しやすい、というのもあります。
Comments

ケーナを作る - 1

P1000009
ケーナ作りの手順を少しづつ紹介していきます。
ケーナを作るために、まずは竹を取りに行きます。
竹にも色々な種類があり、ケーナに適した物を探すとなるとなかなか大変です。
関東地方だと、女竹、篠竹、といった種類の竹がケーナに向いていますが、その中からでも丁度良い太さ、長さの物を探すのも一手間です。
上の写真は九州、宮崎の山に囲まれた川沿いの竹薮。
その土地の気候、特に湿度等が関係しているのか、この場所には良い竹がびっしりと、隙間なく生えています。
Comments

ケーナとの出会い

僕がケーナを始めたきっかけはあまり格好良いものではないです
が、結構聞かれるのでここにこっそり書いておきます。


僕がケーナを始めたのは18歳の頃。
もともとシンセサイザーで曲を作ったりしていて、喜太郎や姫神といったシンセサイザー奏者の音楽に影響を受け、次第にエスニックなサウンドを目指すようになる。

高校3年の夏休み、何か民族楽器を始めたいと思い、学校帰りに楽器屋をる。
しかし当時の高校生の時給750円の皿洗いのアルバイトではなかなか買えるような値段の物はなく、あきらめかけていた矢先に偶然出会ったのが、路上で外国人が売っていた、手作りのケーナだった。
ケーナという楽器は映画「もののけ姫」のサウンドトラックや、喜太郎のCD等で知っていて、好きな音色だった事と、何よりその手軽さに惹かれ、直感で「これだ」と思い(というか他に音色に惹かれる楽器で、買える値段の物が無かった、が正確)その場で外国人に音の出し方を簡単に習い、買った(1本3000円のところをなんと2本で5000円!)のが、最初に手にしたケーナです。

その後学校の音楽の授業や、小さなライブイベント等で冗談半分で演奏を披露すると、思いのほか評判が良く、次第に自分の音楽制作に取り入れるようになっていく。

というかそんな気まぐれな感じで始めたものですから、「ケーナを始めたきっかけは?」とか聞かれると実は結構返答に詰まってしまうわけですが。今思えば、あの外国人があのときあの場所でケーナを吹いて、売っていなければ、自分はケーナなんてやってないかもしれない。
きっかけはともあれ、ここまでのめり込めて、今となっては自分の個性であり、自分の音楽の中心になっている、ケーナという楽器に巡り会わせてくれた、あの商売上手な外国人に本当に感謝。
Comments

最初に作ったケーナ

気まぐれにケーナを始めて、少しずつ吹けるようになり、1オクターブ、2オクターブとだんだんと広い音域が出せるようになっていき、徐々にケーナという楽器にのめり込んでいくうち、ふと「穴を開けるだけだから、自分で作れるんじゃないか」と思い立ったわけです。

ケーナというのはもともとは「カーニャ」と呼ばれる、南米に自生する葦の一種で作られ、それが「ケーナ」という楽器の名前の由来になっているそうです。もちろん、そのカーニャという葦は日本には生えていませんので、日本にある素材で一番近い物はもちろん「竹」です。
ただ思いのほか、竹はたくさん、色んなところに生えているものの、ケーナに適した太さ、節の長さを備えた竹がなかなか見つかりません。
そんなとき昔からの知人が、「整備のボランティアで参加している緑地に、良い竹がある」と紹介してくれたのが、町田市鶴川の緑地でした。
タダでこっそり竹だけもらって行くのも気が引けたので、自分も緑地整備ボランティア活動に参加し(竹を手に入れる、という下心、厳密にはボランティアじゃないですね・・)そこで冬の良い頃合いを待って、一本頂いたのが「篠竹(しのだけ・しのちく)」という種類の竹でした。

篠竹というのは女竹の一種で、昔から籠を編んだりするのによく使われている竹だそうで、しなやかなで、多分竹の種類の中ではアンデスのカーニャに一番近い素材だと思います。(カーニャはもっと柔らかいですが)
その篠竹を持ち帰り、のこぎりとキリとヤスリなどで見よう見まね、手探りで、どうにか完成させたのが僕が一番最初に作ったケーナです。
当然、最初に作ったケーナは音程の精度もとても楽器と言えた代物ではありませんでしたが、その後少しずつナイフやヤスリで穴を削ったり、手探りで調整していくうち、だんだんと楽器として使える物になっていきました。

その最初につくったケーナで、その竹が生えていた緑地で、始めてみんなに演奏を聴いてもらったときは音色が空へ昇っていくような、なんだか自然と一体となり、木々と語り合えたような気がして、とても心地が良かったのをよく覚えています。
そしてさらにケーナが好きになり、ケーナ作りとケーナの演奏にますます没頭していくわけです。
その緑地では今も年に1度、小さなコンサートを行っています。


この緑地との出会いが無ければ、ケーナを作るということも最初の思いつきに終わっていたかもしれないし、そこまでケーナに没頭していなかったもしれません。
住宅地の中にぽつんと残る、多摩丘陵のなごりの一角ですが、開発の進むなかでも少しでも、こういうところが残っていってほしいものです。
僕もこのケーナの音色を与えてくれた緑地に、自然に、感謝の気持ちとともに、何か恩返しをしなければと常々思っています。
Comments